チャンガラ・カフェについて

これまで長きにわたりオーストラリア先住民アボリジニの歴史や文化について文献や実際に彼らのコミュニティを訪れ独自にリサーチを行ってきました。

その中でも特に、彼等の生活や文化と密接に関連し、切り離すことのできない絵画は、独自の世界観から生まれました。

s-IMG_2826日本のおよそ22倍に及ぶ広大な面積をもつオーストラリア。1770年、イギリス人ジェームス・クックがシドニー郊外のボタニー湾に上陸する遥か昔、およそ5万年前からドリームタイム(夢の時代)という独自の世界観を糧に、およそ500の部族と300の言語集団がかつて存在していました。

文字文化を持たないアボリジニの人々は、ドリームタイムにおける神話の世界の伝承や、水のありかや野生食物のある場所など、さまざまな日常の情報や歴史文化の伝達手段として、記号の組み合わせや具象的なデザインを用い、大地や岩壁に描きながら伝承してきたのです。

私は特に、大陸の中西部を横断する砂漠地帯に暮らす人々の描く絵画の特異性に強く惹かれました。それらはドット・ペインティング(点描画)と呼ばれ、これまで大地に描き続けられてきました。

s-IMG_1804白人入植後の1971年、それらはイギリス人美術教師であったジェフリー・バードンの指導により、西洋のアクリル絵具とキャンバスによって描かれはじめ、現在のドット・ペインティングの礎を築いたのです。

近年、その作風の特異性とユニーク性がオーストラリア国内はもちろん、特に欧米諸国において高い評価を得ており、これまでの西洋美術の感覚にないコンテンポラリーアートの分野において脚光を浴びております。

gaikan当カフェは、そうした作品を紹介・提供するギャラリーと、作品を鑑賞するための空間としてカフェを併設することにより、皆様により良い鑑賞の場を提供することを目的として運営いたしております。
店名にあります「チャンガラ」とは、店主がコミュニティにおいて授かった名前で、スキンネームと呼ばれるものです。この名前によりコミュニティの人々との家族関係が生まれます。
ぜひお越しいただきチャンガラ・ワールドをお楽しみいただければと思っております。

店主 大貫 賢司